片麻痺とは(手足のつっぱり:痙縮)
片麻痺とは、脳が障害されることにより、片側の手足が動かしづらくなった状態をいいます。
- 脳出血片麻痺
- 脳内の血管が破れて、大量の血液により脳が圧迫される。
- 脳梗塞片麻痺
- 脳内の血管が詰まって、脳が血液不足により障害される。
片麻痺の症状
- 歩きが不安定
- 片足が動かしづらいので、足に装具を付けたり、杖を付く必要がある
- 手を思うように動かせない
- 片側の指・肘が曲がりっぱなしで上手く伸びない
- 片側の腕がだらりと垂れて、上手く力が入らない
- 上手くしゃべれない
- 言葉が出てこない
- 口が上手く動かない
片麻痺患者のリハビリ環境と問題点
急性期(発症 ~ 4週)
大きな病院で初期は生命管理、徐々にリハビリへ移行。
- 【問題点】
- 大学病院などでも発症早期から積極的にリハビリをしてくれるところがまだ少ない
回復期(最大 150日)
回復病院でしっかりリハビリを行う。
- 【問題点】
- 病院または療法士によってリハビリ方法に差がある
慢性期(退院以降)
病院を退院してからは、介護保険サービスを利用する。
- 【問題点】
- デイサービスのリハビリは集団での体操が多く、個別対応が少ない
- デイケアでの療法士によるリハビリ効果が目に見えない
- 時間的観点から、なかなか手のリハビリをしてくれない
片麻痺患者の動きの問題点
退院して、介護施設や病院外来でリハビリをしているけどなんだか歩きづらく…
- 麻痺側の足がピーンと一本の棒のように突っ張ってしまう
- つま先が引っかかる
- 足が引っかかるので外側に大きくぶん回して歩く
- ほんとにこの装具、付けっぱなしで良いのか?
などなど、たくさんの問題点や疑問点が出てきますよね。
片麻痺の方の動きの問題点って何だと思いますか?
具体的に歩きで説明すると、麻痺側の脚(あし)を振り出す前に股関節が伸びると、膝も足関節も伸びて、一本の棒と化してしまいます。つまり、片麻痺の方の動きの問題点は「股関節・膝関節・足関節すべてが同じ動きをしてしまう」ということなのです。(逆に、股関節を曲げると膝も足関節も曲がってしまいます)
これでは、足が引っかかったり、外側にぶん回すしかないですよね? では、どうすれば良いか? 麻痺側の脚(あし)を振り出す前に股関節が伸びた時、膝と足関節が曲がってくれれば良いのです。
この各関節が別々の動きをすることを分離運動(ぶんりうんどう)と言います。この、良い分離運動を獲得するにはAKA麻痺改善法が最も適しているのです!
AKS療法サロンにはこんな方が来られています
こんな動きが出来るようになりたい
- とにかく手のリハビリをしてほしい
- ボールをつかめるようになりたい
- 手を挙げられるようになりたい
- 手のひらが上を向くようにしてほしい
- 安全に歩けるようになりたい
- 装具なしで歩けるようになりたい
- 手足のつっぱりを改善してほしい
- 手足に力を伝えたい
こんな目標を叶えたい
- ボールを投げられるようにして、野球をやりたい
- ゴルフを再び出来るようにしたい
- 旅行に行きたい
- 車の運転が出来るようになりたい
- 誰にも心配かけることなく、自立した生活がしたい
- 年賀状を自分の手で書きたい
- ご飯をはしで食べたい
- 息子(娘)が若くして片麻痺になったのでなんとかしてほしい
当サロンに見えている方の障害と目標
- 左片麻痺(脳梗塞):40代男性
- 広範囲の脳梗塞だったので少しずつ動作を獲得したい。(治療:1回/週)
- 左片麻痺(脳梗塞):50代女性
- 自立した日常生活は出来ているが、今以上に左側の動きを良くしていきたい。(治療:1回/月)
- 右片麻痺(脳梗塞):男子中学生
- 野球のクラブチームで試合に出てヒットを打ちたい!(治療:1~2回/月)
- 右片麻痺(脳幹出血):60代男性
- 意欲が向上してきたのでゴルフを再開したい!(治療:1~2回/月)
- 右片麻痺(脳梗塞):女子中学生
- 高校生活をenjoyしたい!!(治療:1~2回/月)
- 右片麻痺(脳腫瘍):男子小学生
- クラブチームで練習に参加してレギュラーになりたい!(治療:1回/月)
- 左片麻痺(脳梗塞):40代男性
- ようやく仕事に復帰できた。歩き方のアドバイスを定期的に頂きたい!(治療:1回/2か月)
- パーキンソン病:60代女性
- 歩行機能は良くなってきた。自宅内での日常生活の質を上げたい!(治療:1回/6週)
AKS療法サロンならではの片麻痺改善方法
AKA片麻痺改善法の考え方
AKS療法サロンでの片麻痺治療の最大の特徴は、第二の脳と言われる関節を刺激しながら、大脳と筋肉の運動を繋げることです。
- AKA療法
- 分離運動促通刺激(川平法+AKS療法)
- 実用トレーニング
1. AKA療法
第二の脳と呼ばれる骨盤の関節(仙腸関節)を刺激することにより、大脳と筋のつながりを良くする重要な下準備です。
麻痺のある方は麻痺側を下にしての横向きが苦手な方が多いので、特殊なAKA療法で両サイドの骨盤の関節(仙腸関節)を刺激していきます。
2. 分離運動獲得のための促通刺激(川平法+AKS療法)
前述したとおり、理想は、麻痺側の脚(あし)を振り出す前に股関節が伸びた時、膝と足関節が曲がってくれるでしたよね。
ここでは、各関節が別々の動きをする分離運動(ぶんりうんどう)を獲得していきます。この、良い分離運動を獲得するにはAKA麻痺改善法しかないのです!
ここでは以下の刺激を利用して、とにかく分離運動を獲得していきます。
- 川平法(促通反復刺激)
- 関節圧迫(第2の脳を刺激)
- 反射(脳と脊髄が本来持っている反射機能)
- タッピング(麻痺筋をさする、叩く)
- 電気促通刺激
さらに、AKA麻痺改善法では歩行時の二つの問題点に着目して、分離運動を獲得していきます。
問題点1:股関節と膝関節が一緒に伸びて(伸展)しまう
歩行時に股関節が伸ばされると膝関節も同時に伸びて一本の棒と化してしまいます。
結果、足が引っかからないように脚(あし)全体を外側にぶん回して振り出さないといけなくなります。
分離運動獲得訓練1
股関節は伸展したままで膝を屈曲する(踵をお尻に付ける)。
これにより、下図:【分離運動獲得後の理想的な歩行】(i)のように股関節は伸びているけど膝が曲がりやすくなり、踵が自然に持ち上がって足を振り出しやすくなります。
問題点2:膝関節と足関節が一緒に伸びて(伸展)しまう
麻痺側の踵が接地する時、膝の伸展に伴い、足関節も伸びてしまい、つま先が持ち上がらない。
結果、足が引っかかりやすくなるります。
分離運動獲得訓練2
膝関節を伸ばしながらつま先を持ち上げる。
これにより、下図:【分離運動獲得後の理想的な歩行】(ii)のように踵が接地したときにつま先が持ち上がりやすくなり、足の引っ掛かりを防げる。
【分離運動獲得後の理想的な歩行】
ここまで促通できると、かなり自分の大脳からの命令が筋肉に伝わっている感覚がわかると思います。
さあ、いよいよ実際の歩行トレーニングです!
3. 歩行機能改善トレーニング
実際には、それぞれの歩行状態に合わせて一番最適な歩行改善トレーニングを行っていきます。
以下に、参考までに当サロンで行っている歩行機能トレーニングをご紹介します。
1. 関節が伸びた時に、膝と足関節が脱力出来るようにする
2. 股関節が伸びたまま膝が曲がるように促す
3. 1、2の流れの後に脚を振り出す
ここまでを一回の治療、20分くらいで行います。その場で歩行が激変するのを是非感じてみてください!
パーキンソン病に対しても同じような考え方でアプローチしていきます。
手のAKA片麻痺改善法
一般的な手のリハビリの問題点
- 1. 指を握る練習ばかりする
- → 余計に指が曲がってしまう。
- 2. 手首を持ち上げる練習ばかりする
- → 手首を持ち上げれば持ち上げるほど、指は曲がってしまう。
- 3. 本来持っているヒトの反射機能を使わない
- → 眠っているだけで本当は出来る動きを引き出せない。
AKS療法サロンならではの手の治療法
- 1. 指を伸ばす練習を繰り返す
- → 麻痺があっても指が伸びていれば誰でも曲がります。いかに、指が伸びた状態に持っていくかが重要となります。
- 2. 手首はだらりと垂らす!
- → 指を上手く使うことの基本です!
手首を持ち上げると人間の指の構造上、指は勝手に曲がってしまいます。手首をだらりと垂らすことにより、初めて本来の指の動きが出せるのです。
これは麻痺の方だけではありません。野球のピッチャー、ピアノのプロの演奏家、そして、AKA療法に至るまで、指を滑らかに動かすためには欠かせないことなのです!
- 3. 反射機能を使う
- → ヒトには、大脳や脊髄を介した反射機能があります。
- ボールを使った反射
- 鏡を使った反射
- 筋肉が伸ばされた反射
などなど…
実際の手のAKA片麻痺改善法
実際の手のAKA麻痺改善法:準備
実際の手のAKA麻痺改善法:実行(指の伸展)
手の麻痺の改善には相当の期間を要します。また、回復度合いにも個人差があることをご了承ください。